QUARTZ
クォーツ

1969年に世界初のクオーツ式時計を発売し、一躍有名になったセイコー。「クオーツショック」と呼ばれるこの出来事の影響は大きく、機械式腕時計を製造していたメーカーは総じて大打撃を受けます。セイコーのプレステージラインとして、機械式腕時計をメインに作っていたグランドセイコーも例外ではなく、一時は生産を中止していました。

新生グランドセイコーとして1988年に復活を果たしますが、その際にリリースしたのがクオーツ式の腕時計です。年差±10秒の高精度を誇るクオーツ式腕時計は、グランドセイコーの名前を世に知らしめました。年差±10秒という数字は、現在でもグランドセイコーのクオーツモデルにおけるスタンダードとなっています。

高精度なクオーツ式時計を発表した5年後の1993年には、「9Fクオーツ」が誕生します。
9Fクオーツは、これまでの一般的なクオーツの「薄くて軽い」というイメージを覆した革新的なムーブメントです。パワフルな高トルクのモーターを採用したことで、従来のクオーツ式時計では困難とされた太くて重い針や、瞬間日送りカレンダーなどの搭載を可能にしました。

また、複雑な機構を持つ9Fクオーツでは、自動組み立てが行われていません。グランドセイコーの抱える熟練の職人が、手作業で丁寧に組み立てている点も特徴的です。