スイスの高級時計メーカーでありながら、華美な装飾を排し、シンプルかつ実用的な腕時計を製造しているIWC。「ポートフィノ」は、IWCのコレクションにおいて一際シンプルなデザインのドレスウォッチです。デザインは同ブランドを代表するポルトギーゼコレクションに似ているようにも思えますが、丸みを帯びたケースやケースサイズなど、細部に違いが見られます。 名前の由来は、イタリアの高級リゾート地であるポートフィノ。地中海風の優雅でのんびりしたライフスタイルをテーマにしていて、オンオフ問わずに身につけやすいコレクションです。

1984年の誕生以来、ポートフィノはシンプルでクラシカルなデザインを継承し続けています。装飾を省いたコレクションが多いIWCの腕時計の中でも、特にシンプルさやエレガントさを感じさせるデザインが特徴的です。アプライドインデックスが採用された立体感のある文字盤を彩るのは、先端が細いスリムなリーフ針。飾り気のない上品な仕上がりの文字盤は、流行に左右されることがないデザインです。また、コンパクトなサイズも展開されており、男女問わず使いやすい点も見逃せません。

多彩なモデル展開を行っているのもポートフィノの魅力です。コレクションには、自動巻きモデルだけでなく、手巻き（ハンドワインド）モデルも存在しています。ムーンフェイズなどのコンプリケーション搭載モデルや、18Kゴールド素材、ケースにダイヤモンドがあしらわれたラグジュアリーなモデルもラインナップ。また、比較的サイズが大きめなものが多いIWCの腕時計ながら、小ぶりなモデルが発表されているのも人気の理由です。34mmや37mmの小ぶりなモデルもあり、比較的小柄な日本人でも身につけやすいサイズ感となっています。

ポートフィノの一部モデルの裏蓋には、「エングレービング」と呼ばれる刃物で銅板を直接掘る技法を用いて、港町であるポートフィノの町並みが刻まれています。地中海沿岸ならではの美しい風景は、ポートフィノを一層気品あるコレクションに仕立て上げています。また、高級時計としては比較的リーズナブルなエントリーモデルですが、ゆったりとした美しさは他の高級腕時計にも引けを取りません。シンプルなデザインながらクラシカルなドレスウォッチとしての風格を携えていて、あらゆるシーンで活躍するポートフィノ。エントリーモデルとして優れている腕時計です。