エヴリンは、1978年にエルメスの馬具部門の責任者だったエヴリン・ベルトランによってデザインされたシックなショルダーバッグです。元々は、馬のトリマーがブラシなどの馬用お手入れ用品を収納するために作られました。馬の蹄鉄を模した縦長の楕円形シルエットと、エルメスの頭文字Hを形取ったミシン目のパンチングが特徴的です。このパンチングは、馬具用品が水に濡れていることが多いため、バッグ内に空気の流れを作り出し、ツールを乾かしやすくするために設計されたものでした。広い開口部とスナップ式の留め具により、スムーズに中身を取り出せる上に収納力も抜群。独特なデザインと、肩掛けでもカジュアルになりすぎない上品さは、エルメスならではの魅力です。ユニセックスなデザインで、男女問わず多くの人に愛用されています。
エヴリンの人気素材には、トリヨンクレマンスとトゴがあります。これらはどちらもエルメスを代表する天然皮革で、非常によく似ていますが、比較するとトリヨンクレマンスの方が目がやや大きく、柔らかい質感を持っています。トリヨンクレマンスは1980年代後半から1990年代にかけて導入され、現在ではバッグから小物まで幅広いアイテムに使用されています。
エヴリンで人気のカラーには、エトゥープ(エトープ)、ブラック、ゴールドが挙げられます。
エヴリンは、そのシンプルで機能的なデザインが支持され、40年以上にわたり多くの人々に愛され続けています。歴史の中で何度かリニューアルされてきましたが、その基本的なデザイン哲学は変わらず、時代を超えて受け入れられているシリーズです。
エヴリンⅠ:非常にシンプルなデザインで、ポケットがなく、ショルダーストラップの調整もできませんでした。バッグ前面にはHのパンチングが施され、これは通気性を確保するためのデザインでした。
エヴリンⅡ:背面にオープンポケットが追加され、収納力が向上しました。これにより、より実用的なデザインとなり、使い勝手が改善されました。
エヴリンⅢ:ショルダーストラップの調整が可能になり、さらに使い勝手が向上しました。これにより、ユーザーの身長や好みに合わせた調整ができるようになり、エヴリンの魅力が増しました。