カルティエの「サントス」は、1911年に販売開始された歴史あるコレクションで、カルティエのフラッグシップモデルとして現在も続いています。この腕時計は、丸みを帯びたスクエア形状のケース、ビス留めのベゼルとブレスレット、ローマ字表記の文字盤を特徴とし、エレガンスとスポーティーな雰囲気を兼ね備えています。多彩なバリエーションが展開されており、レディースとメンズラインで人気です。サントスは、飛行家アルベルト・サントス・デュモンの要望に応えてカルティエが開発したとされ、腕時計専用のケースやラグを用いた世界初の腕時計とされています。

サントス・デュモンは、1911年に市販されたカルティエのサントスシリーズの派生モデルです。オリジナルのサントスモデルと比較して、薄型のケースと直線的なデザインが特徴で、ビス留めのデザインは控えめです。フォーマルなシーンに適したデザインとドレスウォッチの洗練されたディティールが特徴で、エレガントなスタイルを好む方に最適なモデルです。

サントス ガルベはカルティエのサントスコレクションの一部で、その曲線的なデザインが特徴的です。湾曲したケースは着用感を向上させ、オリジナルのサントスの角張ったデザインとは異なる魅力を持ちます。スケルトン文字盤のバリエーションも提供され、革新的なデザインを楽しむことができます。ユニセックスで着用可能なこのモデルは、男女問わず幅広い層の支持を得ました。

サントス 100は、2004年に発表されたサントスコレクションの記念モデルです。当時の流行を取り入れた厚みのある骨太のデザインが特徴で、大胆で現代的なスタイルを好む方に適しています。

サントス ドゥモワゼルは、レディース向けのサントスコレクションで、細身のブレスレットと小ぶりなケースが特徴です。クラシックなサントスのデザイン要素を維持しつつ、より洗練された女性らしいタッチを加えています。

カルティエの「タンク」コレクションは、1919年に一般販売を開始して以来、カルティエの腕時計コレクションの中でも特に高い人気と知名度を誇っています。第一次世界大戦中の戦車の轍（わだち）から、インスピレーションを得てデザインされており、その時代の戦車の上部の平らな形状が反映されています。100年以上経った現在でもカルティエの象徴的なコレクションとしての地位を保っています。

タンクにはいくつかの異なるモデルがあります。例えば、「タンク ルイ カルティエ」、「タンク フランセーズ」、「タンク アメリカン」、「タンク アングレーズ」などがあります。それぞれに独自の特徴がありますが、全てがタンクの基本的なデザイン要素を共有しています。

「タンク ルイ カルティエ」は、1922年に誕生したカルティエの腕時計コレクションで、タンクシリーズの創始者であるルイ・カルティエにちなんで名付けられました。このモデルは、カルティエ創業者の孫であるルイ・カルティエ自身が愛用していたことでも知られています。18Kゴールド、ピンクゴールド、イエローゴールドなどの貴金属を使用し、サファイアがはめ込まれたリューズを特徴とするこのコレクションは、タンクシリーズの中でも特に格調高く、ブランドのプレステージラインとして位置づけられています。

「タンク ソロ」はカルティエのアイコニックな「タンク」シリーズから派生したコレクションで、2004年に発表されました。この年は、カルティエが製作した世界初の腕時計「サントス」の誕生100周年にあたります。タンク ソロは、タンクシリーズの中でも特にモダンなデザインを特徴とし、比較的リーズナブルな価格帯でエントリーモデルとして人気がありました。しかし、2021年に生産終了となり、現在は中古市場でのみ入手可能です。タンク ソロは、「タンク ルイ カルティエ」の哲学を受け継ぎつつ、現代的な解釈でデザインされており、シンプルで性別を問わないデザインが特徴で、タンクシリーズの中でも人気を集めています。

カルティエの「タンク MC」は、メンズコレクションの一部で、「マニュファクチュール・カルティエ」の頭文字を取って名付けられました。自社製自動巻きムーブメント「キャリバー1904 MC」を搭載し、48時間のパワーリザーブとスケルトン構造の裏面からのムーブメント鑑賞が可能です。力強く男性的なデザインが特徴で、44mm×34.3mmのケースサイズはスタイリッシュで幅広いファッションに合わせやすいです。タンクシリーズの中でも比較的新しいラインながら、メンズウォッチの人気モデルとしてカルティエの新定番に成長しています。

「タンク マスト」はカルティエのタンクシリーズの一部で、名前の「マスト（Must）」は「絶対に持つべきもの」という意味を持ち、カルティエを多くの人に愛されるブランドに変えた歴史的なモデルです。特別な「ヴェルメイユ」技法が施されたケースは、リーズナブルながら高い輝きを持ち、日常使いに適したドレスウォッチです。1970年代に発表されたタンクマストは、エレガントなデザインと手頃な価格設定で、カルティエの人気を高めるのに貢献しました。現在は生産終了していますが、根強い支持を集めています。

「タンク アングレーズ」は、カルティエの人気「タンク」シリーズに2012年に加わった新しいコレクションです。このモデルは、リューズがケースに埋まった独特のデザインと、タンクシリーズらしい長方形のフォルムが特徴です。ダイヤモンドをあしらったエレガントなモデルから実用的なステンレスモデルまで、幅広いサイズ展開があり、ユニセックスなデザインで男女問わず支持されています。しかし、2019年に生産終了となり、現在は入手が難しいモデルです。「アングレーズ」はフランス語で「イギリス風の」という意味で、イギリスのロンドンへのオマージュとして誕生しました。スポーティーな雰囲気と気品が融合した名品で、カルティエの歴史を象徴するコレクションです。

カルティエの「パシャ」コレクションは、男性からの高い支持を集めるスポーティーかつエレガントな腕時計です。このコレクションは、1930年代にモロッコの太守の要望に応えて製造された「タンク エタンシュ」に起源を持ち、1985年に高い防水性能を備えたパシャコレクションとして復活しました。特徴的なラウンドケースとリューズプロテクター、視認性に優れた文字盤が特徴です。2020年にはメンズラインが復活し、リューズのデザイン変更や「クイックスイッチ」システムの採用など、新たな注目を集めています。また、ミスパシャやパシャC、パシャ42などの派生モデルも豊富で、スポーティーながらも上品なデザインは幅広いスタイルにマッチし、カルティエの革新的なデザインの一環として位置づけられています。

パシャCは、カルティエのパシャコレクションの中でも特にカジュアルで若々しいデザインを特徴とするモデルです。スポーティーな要素を持ちながらも、カルティエのエレガンスを保持しています。コンパクトなケースサイズとシンプルな文字盤デザインが特徴で、日常使いに適しています。

ミスパシャは、レディース向けに特化されたパシャコレクションのモデルです。小ぶりなケースサイズと洗練されたデザインが特徴で、女性の手首に美しく映えるエレガントな時計です。ジュエリーのような装飾的な要素も含まれており、ファッションアクセサリーとしても魅力的です。

パシャ42は、より大きなケースサイズを特徴とするモデルで、男性的な印象を与えるデザインが特徴です。42mmのケースは存在感があり、より大胆なスタイルを好む方に適しています。スポーティーながらも洗練されたデザインは、カジュアルからビジネスシーンまで幅広く活躍します。

「バロンブルー ドゥ カルティエ」は、2007年にカルティエによって発表された、フランス語で「青い風船」を意味するコレクションです。角形で直線的な「タンク」シリーズとは異なり、丸みを帯びたデザインが特徴で、カルティエの新しい定番として確立されています。バロンブルーは、ドーム型の風防や青いカボションのリューズ、ラウンドケースなどのデザインが特徴で、エレガントかつかわいらしい雰囲気を持ちます。クォーツ式と自動巻きムーブメント、多様な素材やサイズのバリエーションがあり、男女問わず幅広い層に支持されています。

「カリブル ドゥ カルティエ」は、2010年にカルティエが発表したメンズ専用コレクションで、力強いデザインが特徴です。従来のカルティエのエレガントなイメージとは異なり、男性らしさを感じさせる外観で人気を博しました。このコレクションには、ベーシックなモデル、クロノグラフ搭載モデル、300m防水のダイバーズウォッチが含まれています。カルティエが自社で設計・製造した自動巻きムーブメント「1904PS MC」を搭載しており、カルティエのマニュファクチュールとしての地位を示しています。2020年に生産終了となりましたが、その魅力は現在も高く評価されています。

2002年に発表されたカルティエの「ロードスター」は、男性向けのスポーツラインの腕時計で、その後女性向けの「ロードスターミニ」も登場しました。1950～60年代のスポーツカーをモチーフにしたこのモデルは、カルティエらしいエレガンスとスポーティーさを融合したデザインが特徴です。廃盤になったものの、今でも人気があります。特に注目すべきは、レバー操作だけでストラップ交換が可能な画期的なワンタッチ交換システムで、この機能は後に他の多くの腕時計ブランドでも採用されました。